CMW公認高級時計師と
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大樹 時計修理&ドレスアップ

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私たちが生活する環境には、磁気を発する製品が数多くあります。
磁気を発する製品に近づけると、時計は遅れや進み、止まりなどの不具合が発生することがあります。
 ・ 突然時間が遅れた(または進んだ)。
 ・ ぶつけたり、落としたりしていないのに時間が遅れる(進む)。
 ・ 電池を交換したばかりなのに時刻がずれる(止まる)。
などの症状が出た場合、磁気の影響を受けたことが原因の可能性があります。
また、日頃磁気に気をつけていても、磁気を発する製品は数多くある為、長く使用していると、自然と磁気を帯びてしまうことがあります。
磁気の影響
磁気の影響を動画で見る
アナログクォーツ時計を磁気を発するものに近づけると、針が停止します。

短い時間であれば、磁気を発する物から遠ざけることにより正常に動作しますが、時計は、鉄で出来ている部品が多い為、長時間近づけておくと鉄の部品が磁気を帯びてしまうことがあります。
磁気を帯びてしまった時計は、磁気抜きを行う必要があります。
磁気を帯びた部品
部品が磁気を帯びると、部品同士が引き合ったり、
反発する為、正常に動作しなくなります。
ピンセットにくっつく磁気を帯びた歯車

 



■アナログクォーツ時計の場合
アナログクォーツ時計は、定期的に電流を流して電磁石を作り、永久磁石の車(ローターと言います)を引き寄せて回転させて時刻を刻んでいます。
外部から強い磁気の影響を受けると、車が正常に回転しなくなることがあります。

■機械式時計の場合
機械式時計にはテンプという時刻を正確に刻む心臓部があります。
テンプは、振り子時計で言うと振り子の部分です。
腕時計の場合、振り子はテンワという輪に振り子の紐は(ヒゲゼンマイと言います)は渦巻状になって振幅してます。
ヒゲゼンマイの渦巻きは大変緊密な為、磁気を受けると、ヒゲゼンマイが引き合い精度に影響します。
磁気を発する製品
■磁気を発する主な製品
 携帯電話  テレビ ・ラジオ  パソコン
 冷蔵庫  磁気ネックレス等の磁気製品  バックや扉等マグネット式の留め具
 ヘッドフォン  ACアダプター  電気かみそり
これらの製品に近づけてると、精度不良や止まりが発生することがありますのでご注意ください。
また、長時間近づけておくと時計自体が磁気を帯びてしまい、磁気を発する製品から離しても動作不良を起こすことがあります。
磁気から守るには
磁力の強さはそれぞれ異なりますが、殆どの場合、5~10cm程度離すことにより、磁気の影響はなくなります。
ご使用の際には磁気を発する製品に近づけないようにご注意ください。
また、保管の際には磁気を発する製品のそばに置かないようにご注意ください。
磁気を帯びてしまったら!!
磁気を発する製品は日常生活に数多くある為、長く使用していると、気を付けていても自然と磁気を帯びてしまうことがあります。
程度の差はありますが、電池交換で持ち込まれる時計の多くは、磁気を帯びています。
1度磁気を帯びてしまうと自然と磁気が抜けることはなかなか難しいです。
専用の磁気抜き器にかけて磁気を消去する必要があります。
■脱磁器(スイス製)
磁気抜き専用の機械です。
中央に時計をセットして、左下のボタンを押下することにより磁気を抜きます。
簡単な作業ですが、着磁の方向など、技術と知識が必要です。
磁気帯びの確認と磁気抜きを動画で見る

磁気帯びの確認
磁気を帯びた時計を方位磁石に近づけると針が大きく動きます。
磁気抜き
脱磁器という磁気抜き専用の機械にかけて磁気を消去します。
磁気抜きの確認
磁気が抜けた時計は、方位磁石に近づけても針は動きません。


磁気の状態や時計の種類によって料金が変わることがございます。
また、磁気帯がひどい場合には、部品ごとの磁気抜きが必要な為、オーバーホールが必要となることがございます。
ご不明点やご質問などは、お問い合わせください。
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【注意事項】
磁気抜きのみの場合、修理後の動作不具合に関する保証は一切出来ません。
磁気を除去しても止まりや遅れ等の不具合が発生する場合、電池切れ、電子部品(回路やコイル)や歯車などの部品の不良、潤滑油の乾燥・劣化などの原因が考えられます。
磁気抜きを行っても不具合が発生する場合、オーバーホール・修理(要お見積もり)が必要になります。